「こんなこともあろうかと」

リプレイセクションを読み終えたー。ルールセクションとデータセクションもちょっと読んだですよ。

高機動幻想ガンパレード・マーチ」をやったことがある人は、これ、リプレイ読むとおもろいと思います。
よくゲームの内容、雰囲気を再現しとります。楽しい。

デザイン自体が、「絶望的な戦力差で、がちんこ殴り合いじゃなく、機転と技を駆使してどう勝利(撤退させるetc)するか」に置かれているそうで(もちろんAマホなんで日常生活もまったく問題なく楽しめますが)、原作のゲーム中でのさまざまな要素が上手にTRPGで取り扱うデータに置き換えられているので、リプレイ(…まあSDは原作者かつ本ゲームの作者で、プレイヤーも百戦錬磨のプロではあるんですが)見ても原作の雰囲気がよく出てます。

「伝説絶技」ルールがリプレイ見ていて楽しいですね。プレイ中に特定の複数の条件(伏線的なシチュエーション)を、ルールに指定されている順番でクリアすると使えるようになる、というもので…たとえば「絢爛舞踏」とか「人類の決戦存在」とかが「伝説絶技」なんだけど(「こんなこともあろうかと」も伝説絶技)、特にリプレイでも使われていて気に入ったのが「支援砲撃」。

「支援砲撃」って、原作のゲームでは、要請すると遠くから砲撃してくれるアレなんだけど、これが絶技扱いなんですね。

で、発動条件が…

まず、支援を受ける覚悟を決める。(これがプロセスとしてちゃんと用意されてるのが笑える)→無線で通信をする。(ちゃんと遠距離用の無線機が要るんですね。ないとダメ。)→砲兵とおしゃべり。(「軽妙なトーク」とルール上では明確に指定されてるのも笑える)→数分待つように言われる。→数分間、死なずにがんばる。(これがどれだけ難しいか…原作をプレイした人は降下作戦とか熊本城とか思い出すとよろしかろう)→発動

ってな具合になってるのですね。こんな細かい、AVGのミニイベントフローみたいなのが伝説絶技ごとに用意されていて、特定の伝説絶技を使いたければ、プレイヤーたちはロールプレイしながら伏線を自発的に張っていく必要があるわけ。ゲーム的にもよくできてるなあと思うし、また、いろんな(そんなに大きくない)ミニイベントがわんさと入っていた原作の雰囲気をよく出してるなあと思います。

逆に、ガンパレード・マーチを遊ぶためのルールとデータがとても多いので、「Aの魔法陣」単体のルールとしては独立した記述になっておらず、分離しては扱いづらい感じ。「この1冊でガンパレード・マーチを遊べるぞ!(実際、これ1冊で完結しています)」を実現するために、汎用的な取り回し安さ(ガンパレ以外のものを遊ぶ場合)が犠牲になってますね。その場合は「Aの魔法陣ルールブック (ログインテーブルトークRPGシリーズ)」を買うべし、ということなのかな。