これは…
ヨドバシで探したけどなかったのでAmazonで購入。(たぶんゲーマーズに行けばよかったんだね、きっと)
ゲームブックDS ソード・ワールド 2.0 デラックスパック
- 出版社/メーカー: ブロッコリー
- 発売日: 2009/10/29
- メディア: Video Game
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うーん。どうしたものか。変に持ち上げてもよくないな。
まだ2本目のシナリオの途中ですが。
いいところを先に挙げるか。
- 絵はとてもきれい。立て読みの電子ブックスタイルも雰囲気よし。
- サイコロ振るギミック自体はいい。(「は」ってことは…後述)
- ストーリーの筋自体はまあ楽しめる。(「は」ってことは…後述)
- セーブスロットは1つのみ。ゲームブックに対するしおり感覚。緊張感が出るのは好印象。
- 選択肢しくじると、死ぬときはさっくり死ぬ。死ぬ描写が細かいあたりまで昔のゲームブック風。懐かしい。
(以下、初出時の項目に追加)
- ダンジョンが難解だが、DSのタッチペン機能による根性マッピング(もちろんオール手動…書き込みできる領域もせまいので気合で)が可能。TRPGセッションですらGMにオートマッピングさせるようになって久しいグウタラ人にとっては、なんとも懐かしい。でも方角にまれに誤植があるような気がするのですが…罠ですかそうですか。
- 登場キャラは悪くないと思うんだよ…ヒロインは(含むタビット)可愛いし、おっさんおにーさんキャラも装備してるしな。筋書きも、各パラグラフ描写も凝ってると思う。それだけに…惜しいんだよなあ…
(ここまで追加)
こんなとこかな?
じゃ悪いところを挙げていきます。
ここではっきり言おう。現時点での評価は、地雷級、との認定です。
何か、「愛」があればプレイは続行可能です。
まだフルコンプできたわけではないので、隠し要素とかあるなら評価変わる可能性もあります。
…ない気がしてますが。
まずゲームブック、アドベンチャーゲームとしての視点から言うと。
- 分岐したパラグラフを直後、展開で無理やり統合するようなシチュエーションが結構ある。なら中途半端に分岐させるな!…結構白けます。
- 分岐の結果入手していないアイテムのはずなのに、持っているかのように描写されることが(文章、立ち絵とも)しばしばある。シナリオ展開にかかわる重大なアイテムについてまで生じるので、ほんとにテストプレイしたのか?と問いたい。これもかなり白ける。
- 誤字脱字(誤変換や句読点うち忘れ)は少ないが、ときどきある。
システムについて。ソードワールド2.0を謳うわけだから、ある程度システムの雰囲気を楽しめると思ってました。が…
以下、不満と、一方的に期待して裏切られた(そりゃ期待したほうが悪い系)の項目がまぜこぜに書かれています。
- キャラメイク。確かにできるが、(現在のところ…そしてたぶんシナリオの都合上)人族のみ。戦士系と魔法使い系で筋が変わるようになっている都合もあり、魔法戦士/神官戦士のようなものは作れない。
- レンジャーとかセージとかスカウトとかとれるけど…ほんとに判定に反映されてるのか?がわからない。(てかそういう技能とるとどう効くのか全く説明がない気がするんですが…これ、初代SW/SW2.0知らない人はわかるのか?)反映されてると信じて、レンジャー1は取るようにしてますが…
- ソーサラーしか技能とってないのに治癒魔法使いましたよ?…もういいや…
- 戦闘ではHPのバーグラフがあってもMPのバーグラフがないので魔法使ってどのくらい消費してるかまったくわからない。てか戦闘中にパラメータ確認できないってどうなの?
- 味方にマギテックシューターがついたりすることあるけど、味方が戦闘中なにしてるか皆目分からない。古のゲームブック風といえばそうだけど、いまどきのゲーム機でそれはちょっと寂しくないか?
- 敵が複数でも、どの敵から倒すかは強制的に固定。ターゲット選択不能。魔法も倍がけでの目標増加や達成値上昇とか使えない。
- てか、魔法の種類少なすぎないか?全体に、非常に戦略性に乏しい。なので3体とか敵がいて延々と殴り続ける/リープラッシュし続けるのは作業的になって苦痛。
- 呪文名に固有の名前バンバン出てくるけど、文中に出てくる固有名説明のように説明とか作ってないの?エネルギーボルトがどんな魔法かは常識ってことですか?
- 戦闘、攻撃手番でサイコロ振るのは1回だけ。これはSW2.0的にあってる?レーティング振るんじゃなかったっけ。スピード感を増すためにレーティング自動/固定なのかもしれないけど、せめてどんな計算でどんなことが起きてるかを、昔のRPG風にでもログを見せてほしかった…ブラックボックスでダメージだけ出るので、サイコロ転がる絵だけ見てもアナログ感はとても希薄。逆にいっそサイコロを振るモーションを省略したり、楽できるようにしてくれてもいいのに…「運命変転」(サイコロの目をひっくり返す1日1回の特殊能力)があるから必要なのか。
- せっかくサイコロ振るのならば、もっとサイコロで一喜一憂しやすくしたらよかったかと。クリティカルはカットインが入るけど、クリティカルって説明はないし、ピンゾロは経験点入ってないし。とほほ顔のカットインでも入るとかしたらいいのに。
- 運命変転の操作方法がまるで分かりにくい。説明書に乗ってないし。これはヒドイ。
- オプションでただのサイコロ振り機の機能があるんだけど。2D6だけする機能はちょっとうれしくない…オフラインセッションでサイコロ忘れたとき用?ソードワールド向きの演算機能があってもいいのではないか。レーティング計算とか…
まだまだある気がする。気がついたら書きます。
総じて…
なんというか、ゲームとしての完成度がいまいち。
テストちゃんとできてないような気がする。
ソフト自体の狙いも中途半端。
TRPGのリプレイは読むけどプレイしたことないな〜みたいな層に向けるなら、もっとマニアックに作れるだろうし。
逆に、ゲームブックの雰囲気を再現して楽しんでもらおうというなら、もっとシンプルに作れるだろうし。
まあ私のような、とりあえず関連物は買ってみる、という人間に買ってもらう、という点についてだけなら、タイトルに名を冠した時点で成功かもしれないが、結構な人数が怒りそうな気がする…
個人的にはマニアックな出来だといいなと、してはいけない期待をしたのでガッカリ度は高かったですが、これ、ふつーにゲームブックとしてもいまいち感が残る出来な気がします。
誰が悪い、とかじゃなくて、何かが足りなかったんじゃないかなぁ…想像ですが。
予算が足りない、時間が足りない、ハード的な容量が足りないetc、どれだかわかりませんが。(どこか決定権のある人のやる気や理解が足りない、とか)
作りはソフトハウスに丸投げ、ソフトハウス側では元ネタへの理解が不足、とかそういうのもありえそうですね。
もっと実際に元のルール作った人や遊んでる人が突っ込んで詰められてたら、こんなことになってないんじゃないかなあ…と思いますね。
残念。
#今思ったけど、リプレイ風のアドベンチャーゲームとか作ったら、体感て意味ではよさそう。でもマニアック過ぎるね…
#あとは、DSとかネットワークにつないだりできるんだし…オンセ支援なソフトがあるといいのにね〜。
#シルバーレインRPGはオンセ用のソフト出したりしてくれてますが。他のでも、あると便利です…てか電子書籍で検索性の高いルールブックとか出してほしいなあ(涙)オンセの壁の一つが、ルール知識の共有ですので。
#昔のTRPG初期ブームのころ遊んでて、いま大人になって遊ぶ暇がないとか、集まる余裕がないなんて人は実はそれなりにいそうな気がするわけで。
#そういう人(含む私)がこのタイトルには騙されるし、一番買いそうけど、買うとガッカリ度はかなり高い、と。
結論:地雷なのでC+Aセンセは買わないでよろしい。でも、絵が好きなら止めないわ。