アルペジオのカデンツァ

映画の予告CMが凄く静かなシーンだけでしばらく宣伝されていたので、実は不安だったというのが正直なところだったわけですが、
劇場に行くとそれが杞憂だったことに安堵するとともに、きっちり綺麗に伏線を回収してみせたのに舌を巻いたのでありますよ。

「蒼き鋼のアルペジオ・アルスノヴァ」は原作のいろいろな要素のうち、「女の子を魅せよう」「そして派手なSFバトルだ」とフォーカスを絞っており、キャラの魅せ方も単なるハーレムアニメとせず、キャラクター間の心の交流にほとんどの時間を割いているようなところがあって。

それはテレビ版のエンディングの、あの両手を伸ばしたキャラクターモデルたちが、互いを想って連なる(あのエンディングアニメーションは見事でした。バージョン違いでそれぞれ本編の進捗に伴う意味が持たされている)のに象徴されていて、Tridentの楽曲もそれをしっかりと補強する想いが乗せられていて。

それを受けての劇場版。前フリが前作DCで終わっているのもあり、もう初手からフルスロットル。
開幕からいきなり、伏線の核心に迫るシーンからスタートし、バトルに次ぐバトル。

位置の探り合い・攪乱・地形を利用した戦術・サイレントランニング・トンデモ兵器による超スーパーアクション。
まさか
飛ぶとは…
近接戦闘してくるとは…
あっはっはっは。
めまぐるしくて笑うしかない(笑)

そんなめまぐるしい展開なのに、しっかりイオナの心の浮き沈みのドラマ、ムサシの抱える過去といったものを見せ、一気に昇華していくイオナの姿を観客に焼き付けてくる。

ラストの解釈はメインキャストの間でも割れるようですが、
…ブローチがあの状況から戻ってくることを説明するとすると、かなり状況が絞られますよねえ。…

(もしもう一方の可能性をもっと残すのであれば、ブローチについて誰かクルーか他のメンタルモデルにに気が付かせる芝居をいれておくべきだったかな。)