「オレを踏み台にしたぁ!」

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (4) (角川コミックス・エース) 機動戦士ガンダム THE ORIGIN(5) (角川コミックス・エース) 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (6) (角川コミックス・エース) 機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7) (角川コミックス・エース)

読了。

ここまで濃厚に初代ガンダムの「本質」を匂いたたせてくるとは、連載開始時には正直思わなかった。結果として読めば読むほど「そう、そうなんだよ!」と激しく頭を縦に振ることに。

アニメとちょっとだけ違う設定や演出も入ってるけど、それは漫画という媒体で表現をスムースにするためのであったり、対象年齢を引き上げてより話を(大人に)わかりやすくするためのものであったりする。結果として、ガンダムの「匂い」はより強くなる。

名シーン(というかすべてが名シーンと呼んでよいと思うが)でのキャラの所作、表情、コマ割り、すべて絶妙。紙面すべてが躍動感にあふれる。これほどとは。THE ORIGINは化け物か。(壊れ気味)

その描写の素晴らしさは、アニメのときのシーンを読者に鮮明に思い起こさせるのはもちろんだが、それだけにとどまらない。「その場に居合わせる感」を与えてくれる気がする。マルチカットというか…さまざまな視点を瞬時に提供してくれる感じがする。これは、漫画ならでは(そして、安彦良和ならでは)なんじゃないかなあ。

なんにせよ、1年戦争を、あのホワイトベースの道程を、乗組員たちとともに追体験できる、素晴らしいコミカライズ。ああ。続きが待ち遠しい。