ハードウェアRAID?ダイナミックディスク?それとも…
2つのハードディスクをつないで「大きな」1つのハードディスクのようにみなして使う方法には、いろいろな方法がある。今まで検討してきたハードウェアRAIDによるもののほか、Windows2000/XPの機能であるダイナミックディスクを利用した方法である。今回採用できるのは以下のとおり。
いくつかの技術資料を参考に検討。推量も混じっているけれども。
- ハードウェアRAID(IAARもしくはPromise)によりRAID0でストライピングセットを構築
- 2台の全く同じ型のディスクドライブが必要。
- アクセス速度速い!
- ハードウェアで動作するので、システムパーティションにも使える(もちろんOSにはドライバいるけれども)。OSが劇的に速くなる可能性アリ。
- RAID0なのでデータはちぎれちぎれ細切れに砕かれて2台のHDDに保存されるため、1台故障で死んだらもう1台は故障してなくてもデータ復旧は不可能。
- データの細切れ保存のしかたがコントロールするハードウェアに依存するので、すでに使っているHDDのペアを違うハードウェアコントローラのもとに移動しても使用不能(と思われる…ストライプの刻みセクタ数の設定をそろえたらまさか平気なのか?あり得ないよね……)
- 使用しているバックアップソフトNorton GHOST 2003では対応しない(差ボート対象外ながら、DOS用ドライバがあれば動く模様…うちの場合は無理)
- ダイナミックディスクによりストライプボリュームを構築(=ソフトウェアRAIDによりRAID0を構築)
- Windows2000/XP必須。
- 2台の同じ容量のディスクドライブが必要。(型はおなじじゃなくてもいいのか?わからない)
- アクセス速度速い!
- OSで動作するので、システムパーティションには使用不能。
- RAID0なのでデータはちぎれちぎれ細切れに砕かれて2台のHDDに保存されるため、1台故障で死んだらもう1台は故障してなくてもデータ復旧は不可能。
- データの細切れ保存のしかたがOSにのみ依存するので、すでに使っているHDDのペアを違うハードウェア環境のもとに移動してもOSがWindows2000/XPならばインポート可能(デフォルトでは一発で使えるようにはならない、インポートが必要)なはず
- 使用しているバックアップソフトNorton GHOST 2003では対応しない
- ダイナミックディスクによりスパンボリュームを構築
- Windows2000/XP必須。
- 容量や型式の違うディスク(パーティション単位でつなげるのか?要調査)を混在可能。
- 速度は速くなりません。
- OSで動作するので、システムパーティションには使用不能。
- 複数台のHDDをつないでひとつの連続した領域としてつかうイメージ。ディスク足りなくなったらあとからじゃかじゃか追加可能。1台故障で死んでそれ以外が生きている場合、RAID0よりは救出の見込みがあるのではないだろうか(推測)。境目にまたがってデータが保存される場合(があるなら)そのデータはだめだろうが、またがっていない分については救出できそうだ(そういう話を聞いたことがある)。だが、もし死んだドライブが全構成ドライブ中唯一のGPT(ダイナミックディスクについての設定情報記憶領域)持ちだったらどうなることかわからない、想像不能。
- OSにのみ依存するので、すでに使っているHDDのセットを違うハードウェア環境のもとに移動してもOSがWindows2000/XPならばインポート可能(デフォルトでは一発で使えるようにはならない、インポートが必要)なはず
- 使用しているバックアップソフトNorton GHOST 2003では対応しない
- ダイナミックディスクによりシンプルボリュームを別々に作成後、ある1つのディスクに対してその子ディレクトリとして別のディスクをマウント
- Windows2000/XP必須。
- 容量や型式の違うディスクドライブを混在可能。というか、OSにとってディスクドライブとしては別々に扱う。
- 速度は速くなりません。
- OSで動作する。ブートパーティション(MBRのあるとこ)にはBIOSの都合で使用不能。MBRのないところなら平気なのか?技術資料をよく読めばわかるかも。
- 要するに、ディスクパーティションをディレクトリとして別のドライブにマウント(要するにドライブレターやディレクトリ名の取り扱いのマジック)する行為である。1台故障で死んでそれ以外が生きている場合、それ以外に保存されているデータは間違いなく生きている。
- 問題は、「1つのつながった領域としてはその理屈上扱えない」こと。Disk1とDisk2(実例に即してどちらも250GBとしよう、別にパーティション単位でもOK)があって、たとえばDisk1をDドライブ、Disk2を"D:\hoge"ディレクトリとしてマウントする場合、Disk1には"hoge"ディレクトリを堀り中身を空にしなければならず、容量的には"hoge"以下に250GBまで、"hoge"以外に250GBまでを使えるだけである。
- OSにのみ依存するので、すでに使っているHDDを違うハードウェア環境のもとに移動してもOSがWindows2000/XPならば使用可能。マウントディレクトリの設定だけはやり直さないとダメかもしれない。
- 使用しているバックアップソフトNorton GHOST 2003に余裕で対応。
(繰り返しますが、上記コメントには推量混じってます)
ちなみに参考にしたのはこちら…
- GHOSTのRAID対応に関して
- ダイナミックディスクとの互換性
- takaman's PC talks: ダイナミックディスク概略
- (トップページ:http://takaman.jp/index.html)
- (これすごい役に立ちました)
- http://takaman.jp/hdd_dynamicdisk.html
今回の用途は、動画編集のデータ&作業ドライブ。つまり
に使うってことだ。だから、システムパーティションにはしないし、容量が巨大すぎるのでNorton GHOSTでバックアップも取らない。その点ではどのシステムもまずは問題ないということになる*1。
アクセス速度は、TV録画編集&エンコード作業には必要ない。リアルタイムノンリニア編集用には必要だといわれているが、RAID0が必要だといわれていたのは(大容量HDDが存在せず、またアクセス速度も遅かった)昔の話。最近のUltraATA100〜133程度ならかなり動作するようだ。(保障はしないですよっ…て言うまでもないだろうが)
だから、SerialATAはそれと同じくらい(理想的に実装されていればさらに速い)の速度で動くはずだから、速度的に無理にRAID0を組む必要はない。
だったら、ハードウェアRAIDコントローラにドライブの移植性を左右されるハードウェアRAID方式より、ダイナミックディスクの機能を利用する方式のほうがドライブの移植性が高くて便利。うちはOSほとんど2000/XP系だし。
また、Canopus DV Codecの参照AVI方式*2は、内部のデータ構造に絶対パス指定を持つため、あまりデータをおくディレクトリやドライブを頻繁に変更したりしたくないのだが*3、これまでも320GBの領域にTV録画編集作業と混在できていたのだから、250GBもの連続した領域があれば現状ではきっとほとんど足りるだろう。*4
1台壊れるとデータが全滅するRAID0や、救出が困難になるかもしれないスパンボリュームは、大事なオリジナルデータを含むノンリニア編集ドライブとしては実はイマイチ。そもそもTV録画編集は頻繁に行うが、ノンリニア編集の使用頻度は高くない。その観点からも、わざわざ「大事だがあまり使わないデータ」を、平時の頻繁な雑用のせいでぶっ壊してしまうのは悲しいことだ。その点、シンプルボリュームの組み合わせで役割分担しちゃうのはGOOD。*5
本気で守るならRAID1でミラーリングするのがベストなんだが…(あ、でも今回、大量に容量増えたから、最終的にPromiseのコントローラでミラーにしちゃってもいいのかな…古いのが故障したわけじゃないしさ…)
結論として、シンプルボリューム250GB2台をまず作るというところに帰着。「あれ?RAIDはどうなったのよ、ずいぶんトーンダウンしちゃったじゃない!」とおっしゃる貴方、確かに地続き0.5TBの夢は消えたが、普通に250GB2台を使うにせよ137GBの壁を破るためにIAARが必要だったのだから、今日の作業は無駄じゃないのですよ、と信じさせてもらって本日はお開き。
(まだ片方のフォーマットが終わらん)
*1:ちなみに、今回この際システムもハードウェアRAID0に置き換えるということも考えたが、今使ってるシステムをそのまま移植するためにも、その後使う上でバックアップをとるためにもGHOSTが必要なので断念。
*2:Canopus DV Codecでは、内部仕様の都合で「ファイルシステムに寄らず(ここ重要)」ある程度より長いクリップは参照AVIにしないと保存不能。経験的に20分程度より長い場合は無理。
*3:必要とあればCanopus提供の修正ツールで直せるけど時間かかるし大変
*4:足りなかったらそのとき改めてノンリニア編集専用にRAIDやスパンボリュームの導入を考えればいいし…(笑)
*5:この危険回避問題、これまでRAID0を使いながら実はちょっと不安だったところなのだ。