叛逆について

ネタバレなんで…











だいぶ落ち着いてきました。

そもそも、まどか☆マギカってなんだったっけ、「○○でないとまどか☆マギカじゃないよね」って要素を分解して並べてみると、
魔法少女の希望に満ちた、敵との戦い
・イヌカレー空間の作り出す可愛らしくダークな空間
魔法少女同士のバトルロイヤル
・QBひでえ
・「魔法少女が魔女になって破滅する」
・どんでん返し
あたりか。

こういったものを実は全部満足して、かつ、様々なこれまで描かれなかったif…大きいところでは
・5人平和に暮らしながら魔法少女活動しているif
・5人全員対QBなif
といったところ(細かいところでは、本編ではなかった組み合わせでの会話劇・共闘・対戦etc)を見ることができるようになっていたわけで、
(そういうifの類は二次で服用済みだから公式でやらなくてよかったよ!という意見も見かけたけど、
 私は叛逆後に二次をうろうろしたりし始めたくらいなので、公式でやってくれてよかったなと思う)

「濃縮満漢全席・特盛」

状態なところへ、しかもオチは予定調和的エンドにしない、としたので、まー、とんでもないことをやったなあと思った。
だから「頼んでいない料理が出てきたと思ったら、間違いなく食べたかったものだった」という初見フィールだったんだと思う。

結末も、彼女は本当は全部わかっていての、自虐的・献身的な叛逆、という見方もできるんだろうし、
彼女に独占欲があったからこそ、わかっていてわざと間違える誘惑に負けた、と見ることもできるだろうし、
そうではなく初見で感じたような青さ全開だとみることもできるし。

最後は「生身の自分を葬って概念になった」と解釈する人もいて、それは素敵な解き方だなとも思うし。
単なる、失恋に絶望しての投身自殺、という解釈はちょっと異を唱えたいのですが。

やっぱり、あざといなー、全部エンタメとしての都合じゃん! と感じてる人もいるし、確かにそうだとも思うし。

でも、

終盤のほむらの演技を、振りきった演技としなかった、もろくて透明感のある儚げな少女の演技とした判断が、
あの映画を奇跡的に空中分解させないでいる、というか
いろいろな見方を全て受け止められるようにしている、というか…
いや、ホント、インタビューで見かけた「悪魔テイク」も聞いてみたい気はするけど、
リテイク出したのは英断だったと思うのです。あの不思議な余韻はあの演技あってこそだと思う。

なお新編登場以前にすでに
世界が開いていくエンド(時間経過でほむらが成長して傷を癒していくようなもの)は二次SSでも
いくつか試みられているのを拝読したわけだけど、
これ、すっごい好みのエンドではあるんだが、
IPとしての残存熱量が足りない(公式で続編として遂行するには)という印象で…
今回の、世界が閉じたエンドに落ちたのはしょうがないかなーと思う。
ちょっと残念ですね。まあしょうがない。
すれ違い、潔癖な自己犠牲もこの作品の裏に貫かれているものではあるので…
魔法少女には、癒やされて大人になるなんて生ぬるいことは許されないのかも)

この後だけど、同じような逆算をかけると、もし公式に次の展開をやるならば、
既存キャラだけで回すのは(やりつくし気味で)やっぱり熱量的に、無理かなーとは思うかな。